極楽せきゅあブログ

ときどきセキュリティ

ハッカージャパン個人情報漫画シナリオ第二弾

だよん。

第二話:

##社長の自宅
超自信作の新作おもちゃ完成!
子供に与えて反応を見ている崩壊した(笑)社長。

##会議室
社長「今度の新作おもちゃはいい!最高だ!早速大量に売り出すぞ!」
金子「これが今回のキャンペーン企画です」
目を通す社長。いきなり
社長「なんじゃこりゃあ!」
目を回す金子。あたふたと
金子「しゃしゃしゃしゃ社長!なななな何かご不満な点が…?」
社長「この企画、(主人公)に見せたか?」
金子「い、いえ。(主人公)はこのシステムとは関係ありゃしませんので、話してませんが…」
社長「み、見せてないのか?!こ、こ、これは、こ、こじん」目が充血。
社長は頭に血が上ってまともに喋ることが出来ない。
資料の「名簿を購入してデータベース、システム化」というとこを指さしてぷるぷるしている。

##主人公の作業場
飛び込んでくる金子。
金子「たたたた助けてくれぇ!」
主人公「ま、また何かありましたか?」半ばトラブルを予期している感じ。
金子「社長が、社長がまた怒り狂っておられるのじゃあ!」心底おびえている金子。
金子「名簿を買って来ちゃいかんのか?いかんのか?」
哀願するように主人公に問いかける。

##システム開発担当の作業場
画面とにらめっこしている寺島。イラついている雰囲気。
寺島「ったくよぉ。このシステム要件多すぎじゃあ!」今にもディスプレイに噛みつきそうな感じ。

主人公、おそるおそる寺島に声を掛ける。
主人公「あのー、お忙しいところすいません、
またちょっとお聞きしたいことがあるんですが…」
寺島、黙ってギロっと主人公をにらみつける。
主人公、それでかなりビビるが、めげずに、
主人公「購入してきた名簿の個人情報と、ウチの情報を合わせて利用するシステムを、
か、開発するってホントですかぁ?」早口になってる。
寺島、ふん、という感じでディスプレイに視線を戻して、
寺島「そうだったらなんだ?」
主人公「前にもお話しましたが、個人情報保護法という法律が今度施行されるんですけど…」
寺島、それを遮るように、
寺島「法律だぁ?なんじゃそりゃあ?こちとら仕事でやってるんじゃねえか」
主人公「漏洩しないような対策を早急に講じないと…」
寺島「買ってきたモノにまでテメエで管理だ何だ言われる筋合いはねぇぞ!」バアン、と机を叩く。
泣きそうになる主人公。(こ、コワイよー)

##社長室から開発作業場へ
談笑しながら歩いてくる藤純子と社長。非常に和気藹々な雰囲気。
社長「いやあ、まさしくあなたのおっしゃるとおり。
今後は企業も自分の色を出すだけではなく、いかに正義を守るか、
ということが文字通り必要になって来ますからなあ」
藤純子「正義!」
ちょっと感動した面持ちで社長を見つめる。
藤純子「やはりわたくしの目に狂いはなかった。
この会社はそういうものをきちっとお持ちでしたのねえ」
社長照れる。
二人は寺島が主人公の襟首を掴んでいる場にさしかかる。
寺島「だいたいそんな電話帳に載ってるような情報なんて、法律にとやかく言われたかねえ!」
ぐいっと主人公を持ち上げて、
寺島「システムなんてのは、動きゃあいいんだよっ!」
その言葉にキッとなる藤純子。しかし、社長が静かに切り出す。その表情はよく分からない。
社長「寺島ぁ。おまえの開発してるシステムの話かの?」
寺島「親分!いや、しゃ、社長!聞いてくださいよ。こいつが…」と主人公を引っ張ってくる。
寺島「その辺に売ってる名簿買ってきても漏洩したら法律違反だ、
とか抜かすんですよ。売り物ですよ売り物!」
社長の表情は見えない。口元だけ。
社長「そうなのか?」
主人公「あ、あの、ウチの持っている情報と合わせて管理するわけですよね。
そ、その時点でウチが管理しなきゃならないらしいんです…」
寺島「何じゃそりゃ!」と呆れたように言う。
不気味な静かさで社長が応じる。
社長「いいか寺島。こいつ(主人公)が言うことは、おれの命令だと思え。
こいつが言うなら法律違反に違いねえんだ。
だから開発するシステムはこいつの言うとおりにセキュリティ対策するんだ。
わかったな」
寺島「しゃ、しゃちょおーーーっ!そりゃねえっすよー!」
(一体開発費がどのくらい膨らむと思って…)
不満そうな寺島をものすごい目つきで一睨みする社長。
社長「わかったな」
寺島「……へい。わかりやした」

藤純子を振り向く社長。
社長「いや、お恥ずかしいところお見せしちゃいまして…」
藤純子はますます感じ入ったふうで社長に、
藤純子「あの、わたくしこの会社のおもちゃのファンでいて良かったと思います。
これからも良いおもちゃを作ってくださいね」
社長「…恐縮です」
任侠映画っぽい雰囲気の二人。周囲で半ば唖然として見ている主人公。
関心がないクールな女性社員は一人お茶を飲んでいる。