極楽せきゅあブログ

ときどきセキュリティ

無一文の億万長者

無一文の億万長者

無一文の億万長者

今更なんだけど読んだ。ビジネスにめちゃくちゃ長けていながら、寄付しまくったチャック・フィーニーの話なんだけど、着眼点やら発想がおもしろいし、生活や考え方はとても興味深かった。そしてすごくためになる。自分の中にある固定観念を揺るがしてくれるような本に出会えると嬉しくなるんだけど、いやーまさにそんな本でした。
まだ舶来品が高かった日本(人観光客)をターゲットに、合理的な流通革命で破格の安値でブランド品(これもプロモートして作り上げたという感じ)を提供するというビジネスのセンスや、売れる場所の売れる意味や価値を見いだす感覚や、寄付先のビジネスモデルを見分ける感覚や、要するにそういう「感覚」と、その根拠、材料となる合理性みたいなものがすごいんだよなー。簡単に「感覚」って書いちゃうし、そう書くしかないところもあるけど、そのもとにあるのはロジカルな思考じゃないかな、って思ったりもした。
セキュリティの目で見ると、匿名を保つ方法というのが示唆に富んでいたなあ。
それにしても寄付魔だけど、相手がそのお金を使って事業することがポイント、というところは、グラミン銀行と同じ考え方かもなあ。
貧困のない世界を創る

貧困のない世界を創る

こないだNHKでやってた経済学者ジェフリー・サックスにも寄付すればいいのになー、とも思った。
貧困の終焉―2025年までに世界を変える

貧困の終焉―2025年までに世界を変える

そういえば、ダンコガイじゃないんだけどあっしも間違いを見つけたよ(笑)*1。まあ単なる変換ミスっぽいけど、
P271の「歓声がおこり涙が流れ、気が動転して座り込んでしまう人もいた――気前の言い贈り物を受け取ったときのあらゆる感情」の「気前の言い」は「気前の良い」だと思う。
P328の「一一月一三日金曜日、人々が週末に向けて職場から帰宅しようとしているとき、マクドノーが財務局に送った企画書の概要文書が、なにやら捕捉が書き殴られて返送されてきた。その捕捉が、実はかれらの求めていた承認だったのだ。」の「捕捉」×2は「補足」だと思うなあ。