極楽せきゅあブログ

ときどきセキュリティ

派遣社員という立場

結局犯罪的行為をする人ってのは、プロパーであろうと派遣社員であろうと関係なくそういう行為をするものなんだろうけど、なぜ「派遣社員だから云々」という言い方になってしまうんでしょうかねえ。プロパーの社員と派遣社員の違いって、結局前触れもなくいきなり業務に参入してくるかどうかということのような気がします。その点が派遣社員不安というのを呼んでいるような。でも、中途採用の人というのも「いきなり」という点では似たようなものですよね。それでもやはり、プロパーの社員より派遣社員の方が不安、なんだろうか?
一般にある人材を社員として採用するまでには、何度か面接とか業歴、職歴を調べたりしますよね。その数度のプロセスにおいて、人事部という強力な(笑)センサーがその人材の「人となり」を見極めるわけで。まあ、そうやって見極めても外れがあるのは事実なんですけど。
さらに、採用後も「社員教育」というプロセスがあり、そこでその会社の文化やらしきたりやらも含めて教育を行った上で、そのプロセスの中で人間関係を構築していくわけですよね。この「人間関係」による安全弁的な効果はけっこう高いと思うんですが、それでもやはり外れは出てきてしまう。
一方派遣社員さんというのは、採用時の見極めプロセスも社員教育プロセスも派遣会社さんが実施するわけですよね。結果、人間関係も無い中で唐突に業務に参入してくることになって、いきなり感がさらに増すわけですねえ。同時に不安も増えるんですね。
その結果派遣社員という立場だからどうこう、という言い方になってしまう。
しかし、差別するわけではないんですが、あちきはその「不安」というのはけっこう重要ではないか、と思っています。組織内部の人間が働く不正行為、犯罪行為って、*1結局同じ内部の人間のセンサーがどう働くかによって、発見できるかできないかが決まると思えるんですよね。残念ながら情報、データ、通信のトラフィックの洪水に、そのセンサーもかなり鈍り気味なんだけど(笑)。
といって、派遣社員「だから」不安だ、というくくり方はこれは乱暴だと思います。派遣社員にしろプロパーにしろ、中途採用でこないだ入ってきたばっかりの人にしろ、周囲とのコミュニケーションにどれだけ溶け込んでいるか、その人が持つ「人となり」をどれだけ見せているか、によって、不安度というのは測るべきだと思うんですよね。その点、上記のプロセスを経ていないということで、派遣社員の方にハンディがあるのは事実ですが、派遣社員の方を受け入れている現場が情報を補強してあげつつ、なおかつ人間関係を構築してその様を見せながら、不安を抱いている人のその不安度に対するバイアスを取り除いていくしかないんじゃないかなあ。

*1:技術的な支援策はあるにせよ