極楽せきゅあブログ

ときどきセキュリティ

ノーガード、OK?

法律がどうあるべきか、あるいは現状の法律の枠内でどう解釈すべきかという話は、そりゃもう高木先生んとこ*1読むのが一番だと思いますが、ではこの判決が出たことでノーガードOKなのか、って言うとそれはちょっと違うかも知れませんねえ。正当な指摘行為、あるいは公的機関の業務などで、脆弱性の指摘が段取りを間違えずに(笑)行われるようになると、ノーガードでは済まされなくなると思いますね。
今回は指摘の段取りと様態ってぇのかな、それがまずかった、ということを言ってるんだけど、段取りと様態が悪くなければ指摘してもいいのかなあ?というところはまだ論じられていない、というより指摘行為すべてがとにかくもう明示的にダメよん、と言い切っていないんですよね。今回の指摘行為は、事前に管理元や鯖管、しかるべきところに知らせず、公開の場で詳細で具体的な情報をオープンにしちまった、ということで、結果として攻撃の可能性を高めることとなった、とされています。ってことはやはり、指摘するなら段取りが問題であって、どういう段取りならば社会的な不安を煽ることにならないか、攻撃模倣者を出すこととかにならないか、ということを考慮して動いてさえいればいいじゃん、という論理が成り立つんじゃないかなあ。
ということはつまり、形式は成立していても段取りを間違わなければ犯意があったとは言えない、というふうに取ってもらえるってことでないの?*2
…まあそりゃあまりに楽観的かなあ(笑)。現状だと「取ってもらえるかもしれない」というレベルでしかないもんね。それに、なぜそういう指摘をするのか、というあたりもきっと法的にはいろいろと考えないとあかんだろうしねえ。ってか、だからこそこういう点を論じて欲しかったんだけどねえ…。

*1:寝ないで書かれたらしい(笑)

*2:まあこりゃ原則そうだっちゃそうなんだけどねえ