そもそもこの本にとりかかったのは、実は今年のアタマだったりするんですよね。で、いきなり第一話を書き出しちゃったりしました。もちろんその前にプロット打ち合わせとかしてましたけど。
最初のバージョンの出だしはこんな感じ。
1.どことも知れない場所。会社。 アスカ「犯人は・・・」 アスカ「あなたですねー!」 ドアップ。指。 犯人「げげっ!な、何を証拠にー!?」 西神『げげっ!な、何が証拠なんだーー!?』と号泣する。 (最初に言ってたことと違うじゃないかー!) 大忙しでラップトップのキーボードをたたく西神。 アスカ、ギロッと犯人を睨み付ける。 アスカ「証拠ぉ?」 アスカ「そんなもん無いわッ」くわーーーーっとなる。 そのセリフの「無いわッ」ってところにかぶせて、 西神「証拠はこれですッ!!」 一同、思わず西神の方を向く。 西神「ここにあなたが抜き取っていた記録があります!」バーーンッとラップトップを示す。 すかさず、 アスカ「これでもシラを切るのですかッ!いい加減にしてくださいッ!!」 馬鹿丁寧な口調。怒りが頂点にある証拠だ。 アスカ「いい加減にしないとぉ…」と言いながら、格闘技の気をためるポーズに入る。 ただならぬ「気」の高まりに非常に危険なモノを察知した犯人 思わず「すすすすいませんもうしません」とあっけなく陥落。 ポーズ途中でストップしたアスカ。急激に「気」が萎んでいく。 背景に「不戦勝!」と文字が出る。 アスカ「ふぅーー。ちょっと不完全燃焼だけど、まー許してあげましょう」 爆発できずどこか不満げだったりする。 2.ケーキ専門喫茶店「ケーキオフ」 テーブル席で三皿のケーキを食べまくるアスカ。にこにこ。 アスカ「うほほーい!」 カウンターでケーキ屋喫茶マスターと西神が話をしている。 マスター「また会社潰しちゃったの?なんかヤケ食いしてるけどさー」 西神「そうなんですよ(ため息)。どこか仕事ありませんかねえ?」 マスター「この間紹介したばっかりじゃん。それ潰しちゃったんでしょー?」 西神、ぐぅっと言葉につまる。 マスター「その前もスポーツクラブ紹介したらインストラクターのセクハラとかで大暴れしちゃうし。 っていうかその前も役所の下請けって堅いところだったのに、システムぶち壊しちゃうし(呆)」 SDアスカが暴れ回っている図。SDアスカがシステムぶち壊しちゃう図とかが飛び交う。 西神、ますます小さくなっていく。 マスター「まあ、無いことも無いんだけど・・・(でもちょっと紹介するの心配だなあ)」 マスター「ちょっとだけ怪しいかも知れないよ」 西神「怪しいんですか?」(あ、怪しいって) マスター「もうね、優良企業は品切れだよ(呆)」 地獄耳アスカ。マギー審司みたいに耳でかくなって、 アスカ「怪しくてもいいです!お給料稼がないとご飯食べられないし!」(目指せOL生活!) マスター「でも、出会い系だよ」 (今度は潰さないでよー。まったくもー) アスカ&西神「出会い系?」と顔を見合わせる。アスカの口元にケーキ。
決定稿では「不完全燃焼」ではなくて「燃焼」してますけどね(笑)。
まあこのへん書き出してからけっこうサックリできあがってですね、実はそこから何度もやり取りがあって、くりさんにもだいぶ削り落としていただいたりして、ようやく漫画のネームになるわけです。
アクセスガール・アスカ危機一杯! 危機1発目:「サクラと出会いの季節!」(仮題) ※右ページ起こし p.1 ----------------------------------------------------- シーン1・バックにどこぞのビル。(別にビルの前に居るわけでは無い) うつむきアスカ全身(半身?) アスカ「犯人は…」 面上げ、アスカの目アップ、キラーン! −− アスカ「あなたですネー!」 ドアップ。指。 バキュウウウウウウン! 犯人「げげっ!な、何を証拠にー!?」 西神『げげっ!な、何を証拠にー!?』犯人とハモる(号泣)。 −− アスカ、ギロッと犯人を睨み付けながら、両手にパワー充電中。 アスカのワキ、あせってラップトップのキーボードをたたくSD西神。 アスカ「証拠ォ?」 <ゴゴゴゴゴゴ…………> 西神「証拠、証拠…」 <聞いてないよー!> p.2/3 ----------------------------------------------------- 見開き、アスカ手前、ナナメパース付き構図、両腕から波動拳! (ここにタイトルを重ねる: 【アクセスガール アスカ 危機一杯!】) アスカ「んなもん 必要なーしッ!!」 <ちゅどーーーーーーん!> (そのセリフの「必要なーしッ」にフキダシに見えるように重ねて) 西神 「あったーっ!!」 <証拠っ> 犯人 「ぎゃあああああああ」 −− 西神正面、ラップトップを示しながら振り向く。 西神 「あなたがIDを 抜き取っていた 記録があります!」 手前でマルコゲの犯人、決めポーズ+余韻に恍惚?としているアスカ。 西神(正面から)「あなたがIDを 抜き取っていた 記録がありま…!」 <あ…、もうやっちゃったのね> アスカバストアップ アスカ「ちょっと <ふぅーーーー> 不完全燃焼だけど、 <ま> 許してあげましょ」 背後で西神<燃焼しきってるじゃーん> (汗) p.4 ---------------------------------------------------- シーン2。バックにケーキ専門喫茶店「ケーキオフ」看板。 手前、ケーキのアップにぐさ!とささっているフォーク。<グサっ!!> テーブル席で三皿のケーキを食べまくるアスカ。ニコニコしつつも涙目。 アスカ 「うほほーい!」 <ケーキだ ケーキだ ケーキだ> <西神君のおごりだうれしいなっ> −− カウンターでケーキ屋喫茶マスターと西神が話をしている。 出前で喜ぶアスカ(ぼかす)を見ながら マスター「…またやっちゃったの? なんかヤケ食いさせてる <本人に悪気は無いんだろうけど> けどさー」 西神 「…またやっちゃいました」 <IDなりすまし犯1名病院送り> 西神 「その英会話教室は結局 閉鎖ということに」 <ぼくのサイフも閉鎖したいな> マスター「この間紹介した ばっかりだよぉ」 <紹介先何件ツブせば気がすむんですかねぇ> −− マスター「前のスポーツクラブは、 <セクハラされたの インストラクターの 自分じゃないのに> セクハラで大暴れだっけ?」 「その前は役所の下請けって <談合のシステムが 堅い所だったのに、システム 気に入らなかったとか> ぶち壊しちゃうし(呆)」 マスターのセリフのバックでSDアスカが暴れ回っている図。 ・インストラクターにキックしてる図 ・SDアスカがシステムぶち壊しちゃう図が飛び交う。 p.5 ---------------------------------------------------- マスター皿を拭きながら マスター「何でもいいなら、 無いことも無い んだけど…」 西神 「あるんですか?」 <引き出し広いと言うか 深いと言うか…> アスカ割り込み、西神のセリフにかぶせ。 アスカ 「あるのー!?」 バックに標語、≪目指せOL生活!≫とある アスカ 「何でもやります! それどこですか?」」 −− マスター「アスカちゃんに ぴったりといえば ぴったりの職場──」 マスター「──独自システムの バグ出ししてくれる人 探してるみたいだよ」 システム、という単語にちびまる子ちゃんのように 顔面蒼白になりいやいやをしながら後ずさるアスカ。 コ、コンピュータ?(汗)という感じで、いかにもイヤな思い出がありそう。 −− マスター「アスカちゃん <あれ> 得意じゃないの」 「バグ出し界の『ネ申』と まで言われてたって」 <聞いてますよ?> アスカぷるぷるぷる。<聞いてない聞いてない> アスカの心の葛藤に斟酌しないマスター、しらばくれるように マスター「そういや給料25万 って言ってたなぁ」 アスカ「やります!」と即答。 脇で額を押さえる西神。<だ、大丈夫かなぁ>その会社のコンピュータ> p.6 ---------------------------------------------------- マスター 「ちなみに、 <その会社の業務> 出会い系 だよ」 アスカ&西神 「出会い系!?」 と唱和。アスカの口元にケーキ。
ここが極彩色の画面となるというわけなんですが。出来た結果がどうなっているのかは店頭にてご確認ください(笑)。