極楽せきゅあブログ

ときどきセキュリティ

損害賠償っておいくら?

ファイル共有経由の漏洩があいかわらず世間を騒がせていますが、当のユーザー、主にダウンロードする人はどこ吹く風といった趣で、観測によるユーザー数はいっこうに減っていないようです。なんでも想定60万くらいのユーザーが現時点で存在するらしいですね。そのうち半分超はすでにウイルスに罹患した状態だとか。
そういう人たちには、おそらくセキュリティ業界、IT業界から何を言っても届かないでしょう。ということはつまり、おそらくニュースにはならなかったとしても漏洩は今後も続くし、減るどころかむしろ増えることすら想定できる、ということですね。そして、自分が別にWinnyなどを使っていないのに、ごくプライベートな情報まで「共有」されてしまう被害者がどんどん増える、ということでもありますね。
ではこの状況が今後変わらないのか、というと、ウワサの可視化システムが出てくれば、少しは変わってくるのではないでしょうか。可視化システムによる情報をもとに、「漏洩させた人」「放流した人」というのをISPの協力、もしくは開示請求などの手続きを経て特定すれば、著作権侵害による損害を賠償請求したり、逮捕に至ったりということになっていくでしょうしね。
ところで、損害賠償ってどのくらい求められるものなのでしょうか?
例えば一本の映画DVDが「共有」されちまったことの損害というのは、いくらになるのでしょうか?ピンキリでしょうけど、一般的な値段を3000円としましょうか。3000円が60万ユーザーにすべて売れたとして、その額を請求して現実的かというと、そうではなさそうですね。その映画の人気とかにも依りそうですが、例えばここで実績としてダウンロードされた数字が出てきていたらそれを援用できそうですね。これも可視化システムによって観測することができそうですね。
とはいえ、ここではまだ数字がわからないので、ざっくりと100回ダウンロードされたとしましょう。そうすると30万円になりますね。そういう映画を10本アップすると、それで売値は300万円ですか。これが想定される商売の機会損失ってヤツになるのでしょうかね。
これがそのまま通るかどうかはわかりませんが、請求される側にとっても300万円は払えない額では無いでしょうし、けっこう現実的な線かも知れませんね。
例えば、テレビ番組をアップしたことに対してはどうでしょうか?テレビ番組、特にアニメとかが流通コンテンツには多いようですけど*1、この場合の算定は少し面倒ですね。
映画DVDと同じようにDVD化して売るときの売り上げを損なわれた、と考えると、上記のような金額になってきそうですね。ダウンロードされる回数はアニメの方が遙かに多いようですが、DVD1セットあたり4話くらい入っていると考えると、やはり300万円程度に落ち着くのでしょうか。
他にもゲーム、音楽などいろいろあるようですが、類型としては上記と同じになりそうですね。もしかしたら超人気コンテンツをアップした人には、重い計算値が課せられるかも知れませんけど。
他に考えられるのは、企業や組織がのちの活動などを妨害されたとして、再放流した人を訴えるケースなども考えられますね。このあたりになると、ど素人が想定できるものじゃありませんけど(笑)、むしろ金額などは多くなりそうな気もします。
裁判費用のことを考えると、請求先をまとめちゃえると楽そうですけど、そういうことは可能なんでしょうかね?民事の場合、確か裁判費用も負けた方が持たなきゃならないと思いますが、弁護士費用は別立てでしたっけ。まとめられるとリーズナブルに賠償金をふんだくれる図式になると思うんですが、詳しくないのでよくわかりませんヽ(´ー`)ノ
結局、こういう裁判沙汰でも起こして、世の中の危機感みたいなものを具体化していかないと、警察さんも動かないかも知れないし、共有ネットは萎まないだろうし、ひいては漏洩は無くならないし、(純粋な)被害者は増える一方なんでしょうかね。

*1:中国、韓国あたりの海賊版リソースにもなっているようですね