極楽せきゅあブログ

ときどきセキュリティ

ウイニーを例えると

これまた某所で見かけたウイニー関連の記事なんだけど、
http://meiboku.exblog.jp/m2006-04-01/#2933588
なんていうかどうも取り上げる事例やなぞらえ方ってのがナニなんだよなあ。
そのナニさってでもどこから来ているのだろう?
記述内容の正確さ、という意味でのツッコミポイントって、

  1. ウイニーが「言いふらしている」というわけではない。ウイニーというソフトウエアを使う場合、自分で言いふらす=ファイルを共有するための場所にコピーする、ということをしなければ、言いふらすことにはならない。言い換えると、ウイニーを使っているだけならば、オペミスとかしなければ特に危険は無いのである。例外的に危険があるのは次の2のケース。
  2. 言いふらす、と言えるのはある種のウイルスに感染した場合に限られる。このウイルスが、ウイニー利用者の*1コンピュータに入っているファイルを利用者に無断でコピーしてしまうのである。誰も原発の内部資料とか顧客名簿、国家機密などを好んで言いふらしているわけではない。

というところになるのかなあ。
結果から見ると同じじゃん、と言えなくもないんですが、この不随意のコピーかどうか、ってのが、ウイニー問題を考える上ではポイントになると思うんですよね。
なぜそこがポイントか、ってぇと、もし自分がウイニー利用してがんがん映画音楽ソフトダウンロードしてたとしたら、リスクを回避できるかどうかって、

(1)そのファイルがウイルスかどうか、見極めることができるか?

にかかってくるわけなんですよね。
原因がウイニー本体ではなくウイルスならば、ウイルス対策ソフトを使えばいーじゃん、最近ウイニーに対応してるし、と言うかも知れないけど、海上自衛隊の通信室のおっさんは、ウイルス対策してるから大丈夫、と安心しててヤラレたんですよね。今のウイルスを取り巻く環境って、作る側が圧倒的に有利な状況にあって、対策ソフトに捕捉されないウイルスを作るのはそれほど難しくないんすよね。だから、混入してたとしたら、捕捉はかなり困難であると言えるのですよねえ。
唯一捕捉できるとしたら、映画や音楽を再生するとき、メディアプレーヤーiTunesの「ファイル」メニューの「開く」あたりからファイルを選択して再生させている場合に限られますね。ウイルスが混入していると、そこで「ファイルが壊れている」と判断されて再生されないからわかるというわけです。
でも、ダブルクリックでいきなり開いているばかりならば、あとはもう感染を待つばかりですね(苦笑)。
感染が避けられないとしたら、

(2)おたくのコンピュータに入っているファイル、世の中にががーんと出回ってもいいの?

ということをかなりシビアに問いかけられてしまうわけなんですよね。
まあ百歩譲って、家族の写真とか適当に作ったデータとか、あるいは音楽や映画のファイルくらいならそれほど大きな痛手にはならないかも知れないす。でも仕事のファイル、それもいろんな個人情報が入っているファイルとか、企業秘密国家秘密なんてのは、自分の社会的な立場に関わりますよね。クビになるか、辞めるか、そういうことになったらどーすんの?って感じですね。
中には、エリートダンナが居る人妻がダンナの同僚とかと不倫してるときの写真、メールなどがどどーんと流出した、という例もあるみたいだし、そうなると最悪慰謝料ゼロで離婚でしょうね。もしかしたら親権も失うかも知れないですね。
さらに言えば、ウイニー専用マシンを作って、そこでがんがんダウンロードしているなら安全じゃん、というのもちょっと違うと思います。だって、ダウンロードしたファイルを直接ダブルクリックで開いているのだとしたら、同じようにウイルスに感染する可能性があるわけですからね。ウイニーをどこで使うか、ということではなくて、ウイルスに感染するかどうか、ということが問題なのですよ。
まあ、そういうリスク込みでウイニー使う覚悟なら止めませんけどね(苦笑)。でもたぶん、知らないまま使っていて、知らないままやられてるんだろうなあ(苦笑)。
(注:某所でご指摘いただいたので、ちょっと表現を変えました)

*1:山田にかかれば、ウイニーを利用していなくても