前著「オシムの伝言」が作者自身の言葉に依れば「「ユーモアとエスプリの知恵者、誠実なあまのじゃく、まごころの教育者」についての人文社会系のノンフィクション」であるならば、本書は「名将オシムのサッカー哲学、トレーニング論などをめぐるスポーツ科学の参考書」だそうです。そのとおり、一端ではあるけどオシムのトレーニングに対する考え方、実例、そして試合への臨み方とその実例が紹介されていて、「知識ではない、考え方の会得」というところを目指すあっしにとっても非常に興味深かった。もちろん、オシムの攻撃的なサッカーが好きだったサッカーなヤツとしてもおもしろかった。硬直して応用が利かないように見える今の日本代表を見て、このオシムが植え付けようとしていた「考え方」「哲学」はどこに行ってしまったのかなあ、なんて思ったりもしたなあ。繰り言になるけど、あそこでオシムが倒れなければ、と思う。
- 作者: 千田善
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/05
- メディア: 単行本
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