極楽せきゅあブログ

ときどきセキュリティ

社会心理学者からの提言とツイッターの評価

東日本大震災を乗り越えるために:社会心理学からの提言と情報
実に興味深いですね。
例えばこのあたりとか>ネットで情報収集する際に注意したいこと

 ネット上では自分が見たい情報ばかり見てしまうという事態が生じやすくなっています。これを選択的接触といいます。ネット上では情報量が膨大であるためすべての情報を網羅することができず、必然的に見る情報を自分で選ばざるを得ません。また、人間には自分の先入観に合致する証拠ばかり集めてしまう期待確証の傾向があります。期待確証については昭和女子大学の藤島喜嗣先生の記事をご覧ください。

 その結果、ネット上では元々自分が持っていた期待や予想に合致した情報ばかりを集めてしまうことがあります。「東京は放射能で汚染され、健康被害が出るだろう」という予想をしている人は、東京が危険だという情報や東京から多くの人が避難し始めているという情報ばかりを選択的に集めて、「やっぱり東京は危ない。逃げよう。」という判断をしてしまいがちです。自分がネット上で集めている情報は必ずしも中立でバランスのとれたものではないということは、常に意識しておく必要があります。

このフレーズだけでも興味深いのですが、ここはぜひ全文読んでいただきたいところ。
この選択的接触というのが影響しているのか、災害時のツイッターという視点で、逆の印象を得ている記事があります。ひとつは、ちょっと前のエントリ日本のメディアが代わった10日間 - 極楽せきゅあ日記で触れたこの記事↓↓。
【特別寄稿】日本のメディアが変わった10日間小さなメディアの大きな力(小林 弘人) | 現代ビジネス | 講談社(1/10)
もうひとつはこちら>911でソーシャルメディアが生まれ 311で死んだ | ガジェット通信 GetNews
前者がツイッターについて良い点も悪い点もあるとしながらも、果たした役割は大きいとしているのに対して、後者の記事はツイッターは結局デマの増幅・伝播装置だった、としています。単純に対立しているというわけではなく、良い面と悪い面をそれぞれ題材とした、ということなのかも知れませんが、何の根拠もない印象なんですが(笑)もともと繋がっている人のフィルタ能力によって印象が違っているような気がしています。情報そのものに無防備に触れるのではなく、フォローしてる人というフィルターがかかった情報に接しているわけですが、実はそこですでに弱い選択的接触状態になっているのでは、というのが今抱いている仮説的な印象ですね。さらに妄想を暴走させると(笑)、もしかしたらフィルタを意図して構成すれば、バランスをコントロールできたりするんじゃないのか、なんて思ったりもしますし、そこでシステムが何らかの役割を果たせるんじゃないか、なんて考えたりもします。
いずれにしても、もうちょいこのあたりのテーマ掘り下げてみたいところですね。
ちなみに、上の提言まとめは、他にも興味深いものがたくさんあります。例えば被災した人の中で子供さんとかが避難先、疎開先に転校せざるを得なくなって、そこで人間関係をどう構築していくのか、それをどう見守ればいいのかとか、あるいは避難所生活における恥ずかしさという感覚と、そういう感覚にどう対峙すればいいのかとか。
こういう情報もぜひ、被災された方々に読んでいただきたいですね。